自由とは?
今日の下肢静脈瘤日帰り手術は2件。通常のストリッピング手術だった。
外来初診の患者さんの一人。
下肢静脈瘤は手術適応。一通りの病状、手術についての説明を行った。
そして、
Pt「ストリッピング手術とレーザー治療とではどちらがお勧めですか?」
Dr「私からはどちらがいいとは勧めたりしません。」
Pt「どうしてですか?」
Dr「治療効果としてはどちらも遜色ないと思います。レーザー治療を導入したのは、治療手段に対する患者さんの選択肢を増やすためです。治療費のこともありますので、ご自身で決めて下さい。」
このような会話の後、治療法についてはご主人と相談して決めてくるということになった。
ストリッピング手術は昔から行われており「保険診療」である。
レーザー治療は、日本では最近行われるようになった「自由診療」だ。つまり、保険が利かず全額負担の治療である。いわゆる美容外科と同じような高額治療だ。
ふと、「何が自由か?」と考えた。
お医者さんが自由に器械(機械)を導入し、自由に治療を行える、ということか。医師免許さえ持っていれば、国が認可していない道具を使ってまでも勝手に行っていいということだろうか。
私は違うと思う。
例えば、下肢静脈瘤レーザー治療は外国では一般的ないい治療なのに、国が認めていないために保険が利かないだけである。
そのような治療法を、「これだ!」と思ったお医者さんが導入した。そして、患者さんの選択肢が増え、自由に選択できるようになったということだと思う。
医者側が自由に行えるというわけではなく、患者さん側が自由に選択できるということだろう。
それにしても、器械の認可に対する国の行動は本当に遅い。最近の薬物の認可同様、スピードアップした審査を望む。そうでなければ、患者負担を軽減するためにも混合診療を認めるべきだと思う。
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コメント
自由診療(自費診療)についてはわかりにくいところがありますね。
保険診療を行った日に保険適用外の薬や治療法を併用することができないということは一般の人も知っていますが、例えば、
A病を2月1日に保険診療、2月3日に保険適用外の治療をし、診察料なども含めすべて自費診療。そして2月10日に再び保険診療したような場合、つまり同じ月に同一疾病に対する保険と自費が混在することも認められていません。患者側からすれば、一連の治療の中で自費診療を選択した瞬間、さかのぼってすべて10割負担となってしまうわけですね。
建前は「全額自己負担であるから自由に患者が選択できる」ということですが、一般の人がこんな決まりごとを知るのは重い病気に罹って切羽詰ってから・・・ということが多いと思います。
先生のおっしゃるとおり器械の認可に対する国の行動が早くなることが望まれますが、せめて、(混合診療禁止の良し悪しは別として)もっと行政から周知されるべきだと思います。
投稿 かねごん | 2008年2月13日 (水) 08時31分
はじめまして.
今年の秋に開業を予定している整形外科医です.
開業に関してネットでいろいろ調べているうちに先生のブログにたどりつき,去年の4月からずっと楽しく拝見させていただき参考にもさせていただいております.
混合診療を認めるべきとのご意見,先生のような保険適用外治療をなさっている先生や患者様にとっては強く望まれることでしょうし私自身も混合診療解禁自体には反対ではないのですが,ただ混合診療解禁にした際には今後新しく導入される多くの高額治療が保険適用外になりかねないという危険をはらんでいます.
ですから保険適用外治療と保険適用の治療との比率を現在と大きく変えることなく混合診療解禁にするのであれば多いに賛成です.
ただ現在の国の混合診療解禁論を見る限りでは,混合診療を認めることで安易に保険適用外治療の比率を多くして医療費削減を狙い,かつその治療法に関する国の責任もあいまいにするという魂胆が見えて仕方ありません.
保険適用外治療が増えれば結局は患者負担は増加し本末転倒になってしまいます.
またそうなれば「お金がないなら治療はここまで」と言わざるを得ない状況が頻繁に生じる恐れがあり,それは医師としての倫理観を麻痺させていかなければなりません.
上記のような理由から国民がその功罪をよく理解した上で国民監視のもとでの解禁であれば良いのですが,そうではない現在,混合診療解禁は時期尚早かなと個人的には思っています.
投稿 ゆうひ | 2008年2月13日 (水) 13時06分