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2008年1月27日 (日)

新聞記事

今日の某新聞に「下肢静脈瘤」の記事が掲載されていた。

地元の病院の専門科の先生が書いたものだ。

一般の人には少し誤解を招くような表現があるようなので、どの新聞かわかった人は以下のことを踏まえ読み直してもらいたい。

(その他の人にはおもしろくない内容になってしまいますが)

記事では、「エコノミークラス症候群という名前広く知られるようになった深部静脈血栓症が原因で、行き場を失った血液が、足の表面の静脈に流れ込むことで、瘤ができることもあります」としている。

「エコノミークラス症候群」=「深部静脈血栓症」ではない。前者は症候群であり、後者が原因となり肺動脈血栓塞栓症から引き起こされる様々な病態である。

「エコノミークラス症候群が原因で下肢静脈瘤ができる」というよりも、「下肢静脈瘤を放置しておくとエコノミークラス症候群が引き起こされる可能性がある」と強調した方がわかりやすくて受診を促すにはよいと思われる。

また記事中の用語として「弾力性ストッキング」とあるが、日本静脈学会では正式に「弾性ストッキング」とすることとなっている。

それに文字としては「逆流防止弁が...(中略)...年齢などの原因で痛み、」とあるが、「痛み」ではなく「傷み」が適切であろう。

 

短い文章で病気のことを一般の人に適切に伝えるのは難しい事であると思う。しかし、専門家が書く以上きちんとした言葉、表現で間違いなく伝えなければならない。

 

以前ある公立病院を受診後、私のクリニックを尋ねてきた下肢静脈瘤の患者さんがいた。

Pt「手術をしなければならないのはわかったのですが、5日間の入院が必要だと言われました。ここ(当クリニック)では日帰りでできると聞いてきました」

Dr「5日間の入院でのスケジュールは?」

Pt「最初の日に超音波でマーキング、そして翌日手術。3,4日目は何もせず、5日目に診察があって退院ということです」

Dr「え~ッ。そうなんですかぁ」

 

考えてみると、私も勤務医の頃に上層部から似たようなことを言われたことがある。

土、日曜日に退院を希望する患者さんは多い。その土日に病床を空けておいてはいけないということだ。

先の患者さんは、木曜日に入院してマーキング。金曜日に手術して土日は寝っころがし。そして月曜日に退院するという計5日間の入院というわけだ。

日帰り手術でなければならないというわけではない。入院したい患者さんもいるだろう。また病院経営上わからないでもないが、いろいろな意味で患者には負担である。

 

下肢静脈瘤の患者さん。

病状、治療方針などしっかりと話を聞き、納得、信頼できる医師の下で治療を受けましょう。

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